先に結論を3行で。
- iPhoneの標準の音声入力は多くの言語で端末の中だけで処理され、インターネット接続は要りません。Appleが公式にそう書いています。「声がどこかへ送られる」と思って避けていた方は、ここを読んでください。
- 設定は設定 > 一般 > キーボード >「音声入力を有効にする」だけ。あとはキーボードのマイクボタンを押すだけです。
- 仕事で足りなくなるのは固有名詞と30秒で止まることの2つ。標準の音声入力には単語を覚えさせる仕組みがありません。
iPhoneの音声入力を「使ってみたけど中途半端」で止めている方が多いので、公式の記載だけで整理します。確認日:2026年8月17日(iOS 26のユーザガイドに基づきます)。
★まず、いちばん誤解されているところ
Appleのユーザガイドには、はっきりこう書かれています。
多くの言語の音声入力リクエストがデバイス上で処理されます。インターネット接続は必要ありません。検索ボックスに音声入力した場合、検索を処理するために、音声入力されたテキストが検索プロバイダに送信されることがあります。
iPhoneの標準の音声入力は、多くの言語で端末の中だけで完結します。「声がAppleのサーバーに送られている」というのは、少なくとも一般的な文字入力については当てはまりません。
ただし但し書きが1つあります。検索ボックスへの音声入力は別で、検索を処理するために文字が検索プロバイダに送られることがあります。ここだけは頭に入れておいてください。
あわせて公式には「音声入力を使用すると、モバイルデータ通信の料金がかかる場合があります」ともあります。
設定は1か所だけ
- iPhoneで設定アプリを開く
- 「一般」をタップ → 「キーボード」をタップ
- 「音声入力を有効にする」をオン(確認が出たら「音声入力を有効にする」をタップ)
使い方も単純です。文字を入れたい場所をタップして、キーボードのマイクボタンを押す。カーソルの近くに印が出たら話し始めます。
知っておくと便利なのが、公式のこの一文です。
音声入力中にもキーボードは開いたままになるので、音声入力とタイプ入力を簡単に切り替えてテキストを入力できます。
話しながら手でも打てます。「大枠は声で、固有名詞は手で」という使い方がそのままできます。実務ではこれがいちばん効きます。
仕事で効く音声コマンド
話している最中に、口で言うだけでできることがあります。Appleの一覧から実務で使うものを抜きました。
| やりたいこと | 言う言葉 |
|---|---|
| 改行する | 「改行」「新しい段落」 |
| 記号を入れる | 「感嘆符」など、記号の名前を言う |
| 絵文字を入れる | 「ハートの絵文字」「笑顔の絵文字」 |
| 綴りを指定する | 「スティーブン・S-T-E-P-H-E-N」のように言う |
| 直す | 「選択」または「削除」のあとに、変えたい語句を言う |
| 取り消す・やり直す | 「取り消して」「やり直して」 |
| 止める | 「音声入力を停止」と言う(マイクボタンでも止まります) |
「綴りを指定する」は覚えておく価値があります。人名がどうしても正しく入らないとき、その場でアルファベットを読み上げれば通せます。
対応している言語では、カンマ・ピリオド・疑問符が自動で入ります。邪魔なら 設定 > 一般 > キーボード > 「自動句読点」をオフにできます。
言語を増やす
公式の記載はこうです。
別の言語のキーボードを使うと、その言語での音声入力も使うことができます。
音声入力の言語設定は独立していません。キーボードを足せば、その言語で話せるようになります。日本語と英語を行き来するなら、英語キーボードを追加しておけば済みます。
では、仕事で何が足りないか
| 足りなくなるところ | 中身 |
|---|---|
| 固有名詞 | お客様の名前、社名、社内の略語。標準の音声入力には単語を覚えさせる仕組みがありません。毎回「選択」「削除」で直すか、綴りを読み上げることになります |
| 30秒で止まる | 公式に「音声入力は音声を30秒間出さなければ自動的に停止します」とあります。考えながら話すと切れます |
| 文章の整形 | 話したとおりに入るので、息つぎや言い直しがそのまま残ります |
逆に言えば、チャットの返信やメモ書きなら標準機能で十分です。無料で、しかも端末の中で完結します。ここでお金をかける理由はありません。
越えたいときの選択肢
まず知っておいていただきたいのは、iPhoneの音声入力アプリには全社共通の制約があることです。Appleがキーボードからマイクを使うことを禁止しているため、どの製品も本体アプリ側で録る形になります。くわしくはiPhoneの音声入力アプリで「一瞬アプリが開く」のはなぜかにまとめました。
そのうえで、用途別に並べます。
- まだ標準機能を試していない → 上の設定とコマンドを試してください。それで足りるならそれが最善です
- 速さと仕上がりを上げたい → 市販アプリが選択肢になります。料金はAqua Voiceの料金は結局いくら?にまとめました
- 固有名詞が多い/Macでも同じ辞書を使いたい → ローカルで完結する音声入力アプリロカオンがあります(当社製品です)。人名や社名を登録する「じぶん辞書」があります。いまはMac版だけで、iPhone版は開発中です(Macで作った辞書を、クラウドを使わずAirDropでiPhoneへ渡せる形で作っています)。年払いで年6,600円(月あたり550円・税込)です。1日10回まで(1回1分まで)なら無料で使え、最初の10日間は回数の制限もありません
ロカオンはmacOS 26以降(Apple Silicon)のMacで動きます。Windowsには対応していません。ご購入後は、ライセンスの確認だけ1日1回・数十バイトの通信をします(音声や文字は送りません。つながらない日が続いても14日間は使え、過ぎても無料版として使えます)。
この記事の調べ方
- 端末上で処理されること・検索ボックスの但し書き・設定の場所・使い方・音声コマンド・30秒で止まること・自動句読点・言語の追加は、すべてAppleのiPhoneユーザガイド「iPhoneでテキストを音声入力する」の記載(2026年8月17日確認・iOS 26版)。引用文は原文のままです。
- 「標準の音声入力には単語を覚えさせる仕組みがない」は、同ガイドに辞書登録にあたる機能の記載が無いことによります。将来の追加を否定するものではありません。
- iPhoneのキーボードがマイクを使えない制約は、AppleのApp Extension Programming Guide「Custom Keyboard」(同日確認)。
本メディア「ロカオン研究室」は、ローカルで完結する音声入力アプリ「ロカオン」を開発する合同会社ヒバナが運営しています。他社製品も、当社製品と同じ物差しで確認して書きます。記事中の他社製品の権利は各社に帰属します。

